京都のド根性ビル、池善ビル2階のイートインスペースへ

巨大なビルに取り囲まれながら、孤軍奮闘営業を続けるビルをド根性ビルといったりしますが、京都では池善化粧品ビル(池善ビル)がその代表でしょう。

京都随一の繁華街、四条河原町交差点の南西角に池善ビルは立っています。洋風建築がまだ珍しかった昭和5年に竣工。戦後、高島屋が増築に次ぐ増築を繰り返すうち、池善ビルだけが取り残されたような形になりました。

車1台よりも薄く見えるような…。

2020年12月、新雪毛糸店と尾州屋老舗に続いてビルオーナーの池善化粧品の店舗が閉店し、去就が注目されていましたが、超がつく一等地なだけあって、半年余りで3つあるテナント区画全てが埋まりました。

新雪毛糸店 → Marumaru 雲の茶
尾州屋老舗 → アクセスチケット
池善化粧品店 → メガネスーパーコンタクト

近代建築好きを特に喜ばせたのが7月にオープンした「Marumaru 雲の茶」さんです。なんと2階がイートインスペース。タピオカやフラッペなど商品ラインナップからして私はターゲット対象外なのですが、この階段を上ることを考えるとそんな悠長は言ってられません。

ドリンクが出来上がるまでしばらく待ち時間があったので1階を観察します。

河原町通の歩道との境、木製のレールガイド

入り口脇の装飾、2階に繋がるブザー?

ド根性ビルゆえの急階段。手すりが曲げられているのもポイントです。色味あふれるドリンクを手に、ギシギシと音を立てながら2階へ。

2階は窓に面してテーブル、椅子が並ぶシンプルなスペースでした。幅は狭いながら、窮屈さを感じるほどではありません。ありがたい事にコンセント付きです。

近代建築らしさも僅かながら残っています。

接合部のハンチ、年季が入った巾木

角のトイレの配置も昔からでしょうか。

窓をちょっと開けてみるとエディオンが目の前!

変貌激しい四条河原町。不動産屋と高島屋からの攻勢をしのぎ続けた池善ビルの偉大さを改めて感じます。

3階は現時点で利用不可。見るだけで利用はしないとの屁理屈で3階を少し覗いてみたところ、基本的に2階と似た造りでした。

滞在した20分のあいだ2階は独占状態。観光客が戻ってきてからが本番でしょうね。ド根性精神で頑張っていただきたいものです。

なお、近くでは3棟のビルが解体中。高島屋はいまも増築を続けています。

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