【木津川アート】泉川温泉のガラスとカモメと回り廊下

木津川を見下ろして立つ泉川温泉は、名前からして歴史が香ります。泉川は木津川の古い別称。温泉と名乗りながら温泉主体でないのは温泉≒旅館だった頃の名残。いわば“木津川旅館”なのですが、料理屋に転業済みというのが、ややこしさに拍車をかけます。

そんな泉川温泉の館内を見ることが出来たのは、木津川アート2021のおかげ。木津川市の古民家、休耕田、神社などを舞台にしたアートイベントで、泉川温泉は会場のひとつでした。河原に引かれた一本線も、実はアート作品だったりします。

アプローチを抜けた玄関の先、待合室の引き戸が目が飛び込んできました。

美しいモザイク模様。

館内には他にも凝ったガラスが多用されていました。

アート作品「ミクマリ」(作:襟草丁)は座敷に。地域信仰を含めたあらゆるものに影響を及ぼす川=水が廻りゆくさま廻りあうさまを表現しているそう。

欄間、床の間の狆潜り

エアコンもなかなかの骨董品です。床の間と並んでいても違和感ありません。

各会場のシンボルを柄にしたスタンプラリー、泉川温泉で採用されたのは座敷ふすまの扇でした。

窓に貼られた円もアートのひとつ。それが作り出す影を見るには、少し訪問が早かったようです。

ベストな時間帯だったのは回り廊下の影

スタンプで押したようにクッキリです。

木津の名の通り、一帯は木の積み出し港として栄えました。木津川上流の笠置からの遊覧船も運行していて、その行楽客などに宿と食事を提供していたようです。

案内の方は「今は予約制」と仰られていました。ただ、グルメサイトを見回しても評価皆無なあたり、対象をかなり絞って営業していると思われます。

両側に趣向を凝らした廊下。その先には…

かもめ!!?

細い線は風の表現でしょうか。泉川温泉のハイライトでした。

帰り際、門に透かし彫りされたとっくりとお猪口を発見。愉快な雰囲気をそのまま形にしたようでした。