梅田のド根性ビル、旧・精肉やまたけ曽根崎店

前回記事で京都のド根性ビル、池善ビルを取り上げたので、今回は梅田のド根性ビル、旧・精肉やまたけ曽根崎店を。前者が歴史あるド根性ビルであるのに対し、後者は近年になってド根性度が爆上がりしました。

角張ったビルが多い中、丸みのあるてっぺん、窓のユニークな姿で佇みます。

立地するのは東梅田。高層ビルが次々と完成し、この10年ほどで景色が一変したエリアです。

変貌ぶりがわかりやすいのが大丸梅田店屋上からの眺め。上が2012年、下が2021年。ほぼ中央、チラリと写っていた精肉やまたけ曽根崎店は、阪神百貨店(大阪梅田ツインタワーズ・サウス)の影に隠れてしまいました。

やまたけを中心に、近辺の主だったビルを挙げると次の通り。

北側:大阪富国生命ビル(2010年、132m)、梅田阪急ビル(2012年、187m)、清和梅田ビル(2015年、104m)
南側:コフレ梅田(2011年、11階建て)
東側:梅田ガーデン(2022年、191m)
西側:大阪梅田ツインタワーズ・サウス(2022年、190m)

清和梅田ビルに建て替えられる前の梅田第一ビル、旭屋書店との並び。再開発参画のお誘いは当然あったと思われますが、ビルが1994年竣工と比較的新しかったためか、単独での営業継続を選択されました。

その結果がこのド根性ぶり。惜しくも2019年2月に閉店し、以降はビルごと閉鎖状態になっています。

最上階から伸びた装飾は、ペンダントライト風でありながら、焼肉屋の排煙フードのようにも。開いた先は照明になってます。「大阪市都市景観賞」を受賞していて、運営会社の梅田やまたけさんのHPでは現在でもそれが宣伝されています。

正面開口部とアイアンワーク。

【過去写真】かつては1階が精肉店でした。

【過去写真】黒毛和牛とやまたけの屋号紋。※2010年代前半の壁の塗り直しで消失

南側面にある上階テナントフロアへの入り口がまたオシャレなんです!

ビル名である「REPAS DE KALOK」(ルパ・ド・カロク)と掲げられています。やまたけビルなどとも呼ばれていました。

店内の写真が今も掲示されています。インテリアデザインを手がけたのは西野和宏さん。外観装飾とも通じますね。ステーキ店などが入っていました。

トマソン的な遊び心も。

閉店のお知らせ。昭和24年といえばまだまだ戦後の混乱期。梅田近辺が闇市だった頃から営業していたとは驚きでした。

両隣のビルがセットバックしたため、やまたけのみ飛び出ています。もはや離れ小島のような場所。仮に建て替えとなっても単独なので、ド根性ビルであり続けることが保証された立地といえます。

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