御堂筋にオフィスビル建設ラッシュがやってくる

御堂筋を席巻したホテルブームが一段落。それに替わるように、オフィスビルの再開発プロジェクトが次々明らかになってきています。主だった計画をまとめました。

淀屋橋駅西地区第一種市街地再開発事業

完成予想図(出典:大和ハウス資料
2020年8月撮影

10年以上前に立ち消えとなった幻の「淀屋橋ツインタワー」が実現。御堂筋沿いでも屈指の好立地である淀屋橋交差点の両角地が、同時に再開発されます。

特に西地区はおよそ10棟をまとめて建て替える一大プロジェクト。

ワンフロア貸室面積1000坪を超える大阪最大規模のオフィスを主体に、1、2階に店舗フロアを配置。基壇部屋上階(地上11階)には中之島を一望できる屋上庭園、カフェラウンジなどが設けられます。

高さ・階数135m 地上28階 地下2階
延べ床面積約131,800㎡
建築主淀屋橋西地区市街地再開発組合(大和ハウス、住友商事、関電不動産開発など)
竣工予定2025年

淀屋橋駅東地区都市再生事業

完成予想図(出典:京阪HD資料
2020年8月撮影

百尺制限の名残をとどめる日土地淀屋橋ビル、京阪御堂筋ビルの跡地に、エリア最高峰となる高さ約150mのオフィスビルを建設。

西地区とは高さ、延べ床面積、建築主のいずれもが異なりますが、デザインに統一感をもたせることで「淀屋橋ツインタワー」を演出します。

地下1階から地上2階は店舗フロアで、4 層吹き抜けの多目的広場(淀屋橋広場)を整備。また、直結する大阪メトロ・京阪淀屋橋駅のコンコースの拡幅・リニューアルによって、交通拠点機能を拡充します。

高さ・階数150m 地上28階 地下4階
延べ床面積約73,600m2
建築主京阪ホールディングス、日本土地建物
竣工予定2025年

堂島浜一丁目地区 大阪三菱ビル建て替え

2020年8月撮影

御堂筋のアイストップであった三菱グループのシンボルも、近年は遊休化していました。

ホテル・オフィス複合ビルで構想されており、高さはエリア上限に設定された147mになると思われます。

詳細はこれからですが、大阪市都市計画審議会において、ホテル540室以上、中之島を一望できる展望施設の設置といった説明がなされました。議事録には以下のような記述も残されています。

「御堂筋沿道にふさわしい重厚感や風格のある質の高い計画となるとともに、現代的な透明感と親水性を連想させるガラスファサードとすることで、水辺景観にも配慮された計画」

高さ・階数147m(予想) 
延べ床面積 
建築主オーエム4特定目的会社(三菱地所など)
竣工予定 

御堂筋淡路町計画 UD御堂筋ビルなど2棟建て替え

2020年8月撮影

兼松、その後はパソナが大阪拠点として使っていたUD御堂筋ビル、アネックスビルの建て替え事業。

低層階を店舗とする賃貸オフィスビルとして、2023年度の竣工を予定します。延べ床面積3万㎡を超える大規模ビルになることは間違いないでしょう。

北隣にそびえるオービック御堂筋ビル(高さ116m)は2020年に竣工したばかり。近年制定された御堂筋の高さ制限解除第1号となるホテル・オフィスの超高層複合ビルです。

高さ・階数 
延べ床面積 
建築主NTT都市開発
竣工予定2023年度

安土町3丁目ビル(仮称) 御堂筋安土町ビル建て替え

2020年8月撮影

御堂筋の由来ともなった西本願寺津村別院(北御堂)の斜め向かいに立地。高さ50mを超える部分は、御堂筋のルールに従ってセットバックしています。※南側立面図参照

高さ・階数88.58m 地上19階 地下2階
延べ床面積19,086㎡
建築主積水ハウス
竣工予定2023年

御堂筋ダイビル

メタリックな姿がビルオタに大人気。今回取り上げた中では唯一、中央大通以南にあります。ダイビルは2020年末での閉館を発表済み。新たなビルは日建設計による設計で、2023年度の完成を目指します。敷地面積1483㎡。

高さ・階数 
延べ床面積 
建築主ダイビル(現・所有者)
竣工予定2023年度
解体を前にした御堂筋ダイビルはぞっとするほど美しい
ステンレスを纏った工業製品のような御堂筋ダイビル。その解体が近づいています。御堂筋ダイビルは昭和39年(1964)、東洋工業大阪支社ビルとして完成。東洋工業は今のマツダ。1、2階が車のショールームでしたが、未来的なイメージを現したビル自体、...

ヒューリック大阪ビル

ヒューリックは「今後の大型開発(候補)物件」のひとつとして、1960年竣工の同ビルを挙げています。みずほ銀行などが入居中。敷地面積3123㎡

高さ・階数 
延べ床面積 
建築主ヒューリック(現・所有者)
竣工予定 

御堂筋近辺

日本生命淀屋橋ビル (出典:日本生命保険資料
本町サンケイビル

御堂筋すぐそばでは、日本生命淀屋橋ビル(高さ123m)や本町サンケイビル(高さ101m)が建設中。野村不動産が中規模オフィス「PMO」シリーズを建てるであろう敷地も確保されています。

一昔前まで凋落ばかりが話題だった御堂筋は、高級ホテル、高規格オフィスが並ぶエリアに変貌中。ビルの新陳代謝によって、大阪のメインストリートの誇りを取り戻しつつあります。

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