大阪は曳家ラッシュ 旧大阪中央郵便局と三津寺で計5回!

2020年と2021年は曳家の当たり年。キタでは大阪中央郵便局旧局舎が3回、ミナミでは三津寺本堂が2回動きました。

旧大阪中央郵便局


大阪中央郵便局庁舎は1939年、吉田鉄郎の設計によって建てられたモダニズム建築の傑作。惜しくも解体されましたが保存運動の結果、旧局舎の一部が残されることになりました。かつてのロビー部分を含む玄関廻りの3階までで、サイズは幅18m×奥行き18m×高さ16mです。

左の四角い箱に保存部分が収められています。局舎を解体したものの、再開発プロジェクト「梅田3丁目計画」が凍結したため、跡地は暫定的に広場に用いられる事になりました。

箱はJR大阪駅ホームからも見えました。放置が長期間に及んだので、一体何が入っているのか知らない人もいたと思われます。

画像出典:日本郵政
画像出典:日本郵政

大阪がインバウンドに湧いた2019年になって「梅田3丁目計画」が地上40階建て、高さ188m、延べ床面積22万9000㎡の規模で再始動します。そして、保存箇所はアトリウム部分に活用されることが明らかになりました。

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1回目の曳家(2020年11月)

JR大阪駅側から西に50mほど移動。時計回りに90度回転したのは旧局舎外壁をアトリウム内側に向けるためです。

2回目の曳家(2021年4〜5月頃)

敷地中央からそのまま南端に移動。この位置にいたのは極めて短期間でした。

3回目の曳家(2021年6月頃)

1ヶ月ほどで線路沿いに大移動。ここが最終目的地です。うめきた2期→新駅ビル→JR大阪駅新改札口→梅田3丁目計画を結ぶ高架下通路が開通した暁には、保存部分をくぐってアトリウムに入る事になります。

三津寺

大阪ミナミのど真ん中にある三津寺は周辺一帯の町名にもなった由緒ある寺院ですが、見覚えがあるのは本堂よりむしろ庫裏だという方が多いでしょう。城のような堅牢な建物は昭和8年、御堂筋拡幅の際に建てられました。騒音、排気ガスだけでなく大阪大空襲からも本堂を守ったといいます。

そんな三津寺の再整備案は衝撃的。本堂がビルの中に取り込まれています。これまで閉じられていた御堂筋側に出入り口(山門)を設け、カフェをつくるなど多くの人に開かれた寺を目指すのだそう。ビルのテナント料は寺の維持費に使われます。

2020年には庫裏が解体され、御堂筋と本堂が初対面。ほかに山門、愛染明王堂も無くなっています。

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1回目の曳家(2020年9月)

敷地北側から南端に移動。本堂とて無傷ではなく、唐破風の向拝が削られていました(あとで復活するのかな?)

2回目の曳家(2021年7月頃)

最初の位置に戻ったように見えますが、少し御堂筋側に寄った気もします。これから躯体工事に取り掛かります。

10ヶ月足らずのうちに5回の曳家は滅多にありません。なかなかレアな期間でした。

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