けいはんな学研都市の中核施設である国立国会図書館関西館。陶器二三雄建築研究所が設計を手がけ、日本建築学会賞やBCS賞などを受賞した美しいガラスの建築です。洗練された館内は長らく撮影NGだったのですが2018年6月15日、ついに解禁されました。
まずは館内撮影に関する諸注意を。
●撮影可能なのは閲覧室のゲート前まで。
●ほかの入館者が写り込まないよう注意
『個人的な記録のための撮影』の活用範囲を職員さんに確認したところ「SNS等へのアップを含めて基本的に自由」とのことでした。ちなみに、私が訪問したのは撮影解禁の翌日だったんですが全くの偶然。この注意書きで解禁を知りました。※以下、コンデジでの撮影です
建物本体から伸びる特徴的なエントランスキューブ
タペストリー模様が施されたガラスが、太陽光を柔らかく中和します。
背筋がピッと伸びる静謐な空間
エントランス棟と垂直に交わる管理棟と、地下1階からの3層吹き抜けアトリウム。
もう一方の側には研究室などが並び、地下1階レベルにある中庭と向き合います。
ここで、外から中庭を見てみましょう。図書館造成前にあった雑木林を再現。最上階にも木々が植わる庭園があります。
模型でも確認。2002年の開館から15年以上が経過し、雑木林もかなり成長したでしょう。
模型写真の手前のギザギザは地下に自然光を取り込むトップライトです。建物の心臓部は露出しているガラス箱ではなく実は地下。地下1階にサッカーグラウンドほどの広さをもつ閲覧室、その下に3層、延べ床面積2万4000㎡、600万冊分の書庫が埋まっています。
そして建物の裏では収蔵能力500万冊の新・書庫棟が建設中。最終的には東京本館(1200万冊)を上回る2000万冊分まで拡張する計画です。
さて、館内に戻ります。エントランス入ってすぐ、地下にアプローチする大階段があります。
真っ直ぐ伸びる大階段は建物のハイライトのひとつ。
閲覧室へのゲートを避け、さきほど1階から見下ろしたアトリウムへ。
大きなガラス窓、降り注ぐ光。地下とは思えないほど明るい空間。雑木林の向こうにチラッと見えるのが閲覧室です。
国会図書館関西館はその美しさゆえ、ちょっと近寄りがたい雰囲気なのも事実。立地の悪さもあって来館者はあまり多くありませんでした。館内撮影を解禁することで親しみを持ってもらおう、知名度を高めようという狙いがあるのかもしれません。
何はともあれ名建築を撮影できるありがたい話。マナーを守って楽しみましょう。