ONE DOJIMA PROJECT
梅田に隣接しながら少々古びたイメージのある堂島・堂島浜2丁目界隈が、再開発によって大きく変貌しようとしています。
その先陣を切るのがONE DOJIMA PROJECT。大阪初進出となるフォーシーズンズホテルと分譲住宅で構成される高さ約195mの超高層複合ビルで、生き物を感じさせるような有機的な完成イメージが話題になりました。
関西エリアにおけるフォーシーズンズホテルは京都に次いで2店舗目。ホテルフロアは1階〜2 階、28 階~37 階で178の客室を揃えます。ビル中層にあるガラス面積の広い部分が、レストランやスパになると思われます。
マンション部分は「Brillia Tower堂島」で最上階はラウンジ・パーティルームといった居住者用の共用施設になります。1階~27 階、38階~49 階に計465戸。分譲住戸の値段は、大阪のタワーマンションの中でもおそらく最高水準になるでしょう。
解体前にあった電通大阪ビル(1980年竣工)は狭隘なエリアに広い公開空地を確保したBCS賞建築。支社の移転先は中之島フェスティバルタワー・ウエストです。
2021年5月の現地の様子。「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」が大阪で初めて適用されており、容積率が本来の倍、およそ1200%まで緩和されました。事業主は東京建物とシンガポール企業のHotel Properties Limited。完成予定は2024年です。
古河大阪ビル跡地
オフィスビルの古河大阪ビル本館・西館が2棟まとめて解体中。古河機械金属が保有していましたが2019年に持ち分の半分以上を三井不動産レジデンシャルに売却済み。再開発計画が発表されるのも遠くないでしょう。
敷地面積はONE DOJIMA PROJECTより1割ほど広い5277㎡なので、容積ボーナス次第ではそれと同等もしくはそれ以上の開発規模になる可能性もあります。
以前の姿。手前が西館
隣のサントリービル(1971年竣工)はこの計画には加わりません。
東洋紡本社ビル
東洋紡は本社機能を大阪梅田ツインタワーズ・サウス(2022年春竣工)に移すと噂されており、その後は建て替えが見込まれます。土地、建物(1980年竣工)は既に海外の不動産ファンドの手に渡っていて、東洋紡はリースバックで入居中。敷地面積は今回取り上げた3計画の中で最も広い5643m2です。
ONE DOJIMA PROJECTの発表資料で「訪れる人々による梅田・中之島それぞれのエリアへの回遊を生み出し、堂島・梅田・中之島エリアの活性化を目指します」と謳われているように2エリアを結ぶ結節点。これまでにない賑わい、そして超高層ビルの谷間が埋まることで摩天楼景観にさらに磨きがかかることを期待します。