高層・都市・眺め

浜離宮恩賜庭園×汐留超高層ビル群 格安ホテルからの至高の眺め

最低でも1泊4万円超、最上階は1泊100万円を超えるという「メズム東京、オートグラフコレクション」がはいる複合施設ウォーターズ竹芝。そこには再開発前、シーサイドホテル芝弥生という安価にして眺望抜群なホテルがありました。

在りし日のシーサイドホテル芝弥生(芝弥生会館)。1982年に開業したJR東日本グループのホテルで、私は閉館3ヶ月前の2016年4月に宿泊。1泊料金は軽い朝食が付いて約8500円。

宿泊目的は眺望オンリー。最上階レストラン、2方向を見渡せる北東コーナーがその特等席でした。

浜離宮恩賜庭園と汐留シオサイト。都内最上級ともいえる庭園×超高層ビル群の組み合わせを、全く遮られることなく一望。圧巻でした。せっかくなので、同エリアの主な超高層ビルを右から順にご紹介。

電通本社ビル(2002年、高さ約210m)
汐留シオサイトNo.2の高さを誇るビル。優美な曲線を描きますが、西側から見ると日本刀のような鋭さをもったデザインになっています。上層階のレストランフロアから庭園を眺めた際「あそこのホテル、眺望が最高なのでは?」と見つけたのがシーサイドホテル芝弥生でした。

東京汐留ビルディング(2005年、高さ約174m)
低中層階は主にソフトバンクグループのオフィスで、上層階にヒルトングループの最高級ブランド、コンラッド東京が入ります。

日本通運本社ビル(2003年、高さ約136m)
同社は千代田区神田和泉町に地上13階建ての新本社ビルを建設中。2021年9月の移転後は、現本社を賃貸オフィスビルに転用予定。

東京ツインパークス(2002年、高さ約165m)
総戸数1000戸。ライトウィングとレフトウィングの分譲ツインタワーですが、建築基準法上は1棟の建物なのだそう。

アクティ汐留(2004年、高さ約183m)
中央左のビル。3階から44階がUR賃貸住宅「アクティ汐留」、45階から56階が住友不動産「ラ・トゥール汐留」と、1つの建物に2つの賃貸マンションが入る珍しい形態です。家賃はもちろん後者が上。月100万円↑が珍しくありません。

汐留ビルディング(2007年、高さ約133m)
左の壁状のビル。旧汐留貨物駅跡地31ヘクタールを再開発した汐留シオサイトにおける、最後の大規模プロジェクト。この完成までは、ホテルから東京タワーが見えていた可能性があります。

奥に聳えるのは2014年竣工の虎ノ門ヒルズ 森タワー。最高高さ255.5mは東京最高峰。それは2020年時点でも破られていません。下に見える箱のような「JR東日本アートセンター四季劇場[春][秋]」はウォーターズ竹芝のプロジェクトの一環として建て替えられ「JR東日本四季劇場[春][秋]」に生まれ変わりました。

なお、ウォーターズ竹芝の低層部は商業施設「アトレ竹芝」、高さ120mのタワー棟中層階はオフィスになっています。

浜離宮恩賜公園の案内図。ホテルがあるのは右下付近、汐留川の対岸です。

出典:浜離宮恩賜庭園 公式HP

この地は、寛永年間(1624~1644年)までは、将軍家の鷹狩場で、一面の芦原でした。ここに初めて屋敷を建てたのは、四代将軍家綱の弟で甲府宰相 の松平綱重。承応3年(1654年)、綱重は将軍から海を埋め立てて甲府浜屋敷と呼ばれる別邸を建てる許しを得ました。その後、綱重の子供の綱豊(家宣) が六代将軍になったのを契機に、この屋敷は将軍家の別邸となり、名称も浜御殿と改められました。

以来、歴代将軍によって幾度かの造園、改修工事が行なわれ、十一代将軍家斉のときにほぼ現在の姿の庭園が完成しました。

明治維新ののちは皇室の離宮となり、名前も浜離宮となりました。その後、関東大震災や戦災によって、御茶屋など貴重な建造物が焼失したり樹木が損傷し、往 時の面影はなくなりましたが、昭和20年(1945年)11月3日、東京都に下賜され、整備のうえ昭和21年(1946年)4月有料公開されるに至りました。なお、国の文化財保護法に 基づき、昭和23年(1948年)12月には国の名勝及び史跡に、同27年(1952年)11月には周囲の水面を含め、国の特別名勝及び特別史跡に指定されました。

 

御茶屋は鷹狩の際の休憩所などに使われました。左から「中島の御茶屋」「燕の御茶屋」「松の御茶屋」。「鷹の御茶屋」は2018年の完成なので撮影時点(2016年)では存在していません。なお、ほか3つも再建です。潮入の池は江戸時代から続く庭園では唯一、今でも海水が出入りする池で、干満によって水面が上下します。

次は東方向の眺め。中央の建物は浜離宮排水機場、右下は汐留川水門で、モコモコしたのは排水施設だそう。

水上バスを見下ろせるのもレア体験。

聖路加タワー(高さ220.63m)が目立ちますが、その下の弧を描く建物にご注目。2018年に閉鎖、解体された築地市場です。

中銀カプセルタワービルを遠望。地上からだと首都高に遮られ、なかなか全景が拝めません。黒川紀章が設計したメタボリズム建築の代表作。長らく存廃問題に揺れていますね。

最後は浜離宮恩賜庭園、汐留超高層ビル群に、東京スカイツリーを加えたアングルです。1泊8500円で得られる眺望にしては極めて贅沢だったと思います。

ちなみに「メズム東京」はバルコニー付客室もあるので、ガラス越しじゃなく直にこの景色を眺めることができます。ただし、お値段は5倍以上です。