梅田3丁目計画がついに再始動。施設概要や完成イメージが新たに発表されました。
前回、同様の書類が出されたのが2008年です。大いに注目を集めましたが、かんぽ問題や市況悪化などにより凍結されました。それから約10年、大阪を取り巻く環境変化に合わせて、計画も所々変わりました。2008年と2019年を比較してみます。
梅田3丁目計画とは
大阪中央郵便局を筆頭に大弘ビル、アクティ西ビルを解体し、跡地を一体開発する計画です。JR大阪駅桜橋口そばの超一等地で、敷地面積は12,900㎡。計画凍結後は広場や吉本の劇場、バス駐車場として暫定利用されていました。現状、立体駐車場のアクティ西ビル(写真左)と旧庁舎玄関(写真右の建屋内)が残っています。
完成イメージを比較
JR大阪駅前の中央南口付近から。
格子状からガラス主体のファサードに。シュッとして洗練された印象が漂います。
JR大阪駅1番ホームからの景観
梅田スカイビル展望台からの景観
配置を比較
2008年
2019年
中層部は劇場。その配置が真逆に変わりました。そのため、JR大阪駅側でいきなり高層部が立ち上がることになります。
施設概要を比較
2008年 | 2019年 | |
事業者 | 郵便局、大阪ターミナルビル | 日本郵便、大阪ターミナルビル、JTB |
建築面積 | 8900㎡ | 9500㎡ |
延べ床面積 | 21万7000㎡ | 22万9000㎡ |
容積率対象面積 | 19万3500㎡ | 19万3500㎡ |
(内訳) | 業務施設 13万5000㎡ 商業施設 4万8000㎡ 劇場 1万㎡ | 業務施設 10万1500㎡ 商業施設 4万4000㎡ 劇場 6000㎡ 滞在施設 4万2000㎡ |
階数 | 地上40階、地下3階、塔屋2階 | 地上40階、地下3階、塔屋2階 |
建物高さ | 187m | 188m |
駐車/駐輪台数 | 470台/300台 | 390台/380台 |
最も大きな変更点は「滞在施設」の追加です。計画の凍結期間中にインバウンドが沸騰。大阪の外国人宿泊者数は5倍以上に伸び、ホテルが重要な選択肢になりました。入居するのは高層階。最高級ブランドのホテルもしくは長期滞在者向けのサービスアパートメントなどが考えられます。
代わりに削られたのはオフィス、劇場の面積です。特に劇場は当初計画では目玉施設、ディズニー専用で席数1700で予定されていました。新計画では面積4割減。単純に考えると1000席程度になる計算です。
事業者にJTBが参加しましたが、比率的にはごく一部。また主な用途から「郵便局(窓口)」が無くなっているのも確認できました。
旧庁舎の保存部分は?
建築的価値が高かった旧大阪中央郵便局庁舎は、玄関部のみ保存されています。敷地東側にありますがこれを線路沿いの北側に移設。新ビルの一部に取り込みます。
待ちに待った梅田3丁目計画。完成はうめきた2期と同時期、2024年頃が見込まれます。