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平城宮跡を一望。イトーヨーカドー奈良店の屋上から見えた風景 | TabiKen -旅とビルと建築と-

平城宮跡を一望。イトーヨーカドー奈良店の屋上から見えた風景

9月10日にイトーヨーカドー奈良店が閉店するので屋上からの眺めを記録に残しておきます。

イトーヨーカドー奈良店は経営破綻した奈良そごうを受け継ぐ形で2003年に開店しました。全国のイトーヨーカドーで最大規模の店舗だったはずです。奈良の中心市街地の外れ、非ターミナルの最寄り駅から徒歩10分超というかなり微妙な場所にあります。

屋上へはシースルーエレベーターで上がります

屋上でまず目に飛び込んでくるのがこの円形の建物。そごう時代は回転展望レストランとして使われました。イトーヨーカドーになってからは一度も回っていないと思います。

お寺の五重塔などに載る相輪を模した避雷針。

回転展望レストランをつくるに値する景色がここにはあります。それが平城宮跡。奈良時代に朝廷がおかれた132ヘクタールの歴史公園です。

古の都に思いを馳せながらの食事はなかなか贅沢な気分を味わえたと思います(私の耳には“酔う”という評判しか入ってきませんでしたが…)レストランはリーガロイヤル系だったかな?

屋上からは平城宮跡のシンボルである第一次大極殿と

朱雀門も見えます。そごう閉店の2年前に復元が完了しました。今でこそ平城宮跡は整備が進みますが、当時は大きな野原でした。

その2つの間を突っ切る近鉄線は奈良名物のひとつ。景観的に問題あり(←いまさら)などの理由で大宮通りへの移設計画が浮上。夢物語だと思ってましたがどうも本気で推進していくみたいです。

近鉄百貨店&専門店で構成されるならファミリーを遠望。平城宮跡の向こう側に広がる大和西大寺エリアに立っています。

「奈良最大の都市型本格百貨店」をキャッチフレーズに開業した奈良そごうに対抗して大増床。かつてはライバル関係にありました。

そごうに続いてイトーヨーカドーにも勝利!なのですが、大きな恩恵はないでしょう。ならファミリーが競う相手は今や郊外型の大型ショッピングセンターに変わっています。高の原、橿原、大和郡山…包囲網が凄いです。

ちなみに何台かある観光望遠鏡は無料で覗き放題。

西から南に徐々に目線を移していくと、こんもりした森に行き当たります。垂仁天皇が眠る宝来山古墳。全国で20番目の大きさだという前方後円墳です。

ガラスの反射が酷くて申し訳ないですが、これも撮っておきたかった。かつての奈良そごう本社ビルです。そごうは不動産を担保に拡大戦略を歩んだバブルの申し子のような会社。各店舗ごとに○○そごうと名付けた地元法人を立ち上げました。

相互融資や地元懐柔などの点でメリットがありましたがバブル崩壊をうけて連鎖的に破綻。1店舗しか持たない奈良そごうの負債総額も1200億円を超えました。旧本社ビルは10年以上ほぼ空きビル状態のまま立ち続けています。

イトーヨーカドー奈良店は閉店しますが、実は施設は「奈良平城プラザ(仮称)」として2018年春にリニューアルオープンすることが決まっています。衣料品店や食料品売場といった従来からの店舗機能に加えて、宿泊施設や忍者体験施設などを設ける予定で「観光型複合商業施設」を謳っています。

その再生の鍵を握るのが南側に見える大きな空き地。奈良県初の外資系ホテルであるJWマリオットホテル奈良やコンベンション施設、バスターミナルなどが整備されます。エンタメ色を強めるのは、そこから流入してくる外国人観光客も見込んでのことでしょう。

東側には奈良のシンボル、山焼きで有名な若草山がチラッと覗きます。

イトーヨーカドーがどんどん寂れていく中、屋上フットサルコートの利用率は変わらずに高かったようです。

一周して北側に戻ってきました。手前の国道24号線は平城宮跡を避けるように大きくカーブしますが当初は真っ直ぐに突っ切るはずでした。開発の事前調査において、存在するはずのない外京を大発見。道路計画を急遽変更した経緯があります。

これだけ歴史的遺産を眺望できる屋上は貴重。施設再生後の案ではビアガーデンなどにも使われるみたい。無料開放も続けてもらいたいですね。

そして、回転展望レストラン部分が宿泊フロアになるという何とも楽しみな話もあります。

帰りは名物の10連エスカレーター!(鏡に写っているだけ)

5階レストランフロアで奈良そごう時代に流れていた“川”の痕跡を楽しみつつ1階に。

1階エントランスホールにはお客さんと店員からの寄せ書きが貼られます。業績はずっと芳しくなかったはずですが地元にはいろんな記憶を残しました。14年間の営業お疲れ様でした!