開業初日の宝塚ホテルで見た「夢のつづき」

観劇のたびに育っていく宝塚ホテルの成長記録。コロナ禍で止まったままの記録を完成させるべく、2020年6月21日の開業初日に訪れました。

「花のみち」を通るのは公演休止日以来4ヶ月ぶり。ずっと観察し続けてきた建物が完成しているのは感慨深いですね。

切妻屋根と植物モチーフのレリーフ、ドーマー窓など阪神間モダニズムの代表作である旧ホテルの意匠を継承しています。

シンボルマークもそのレリーフを基にした新デザインになりました。

さて、早速館内にお邪魔します。

メインロビー。観劇後、ホテルに戻ってくるとまずこの階段が迎えてくれます。宝塚大劇場と同様の赤絨毯、中央から左右に分かれる造り。ホテルコンセプトである「夢のつづき」を示すシンボルといえるでしょう。

ホテルコンセプト「夢のつづき」
宝塚歌劇を観劇されるお客様に、宝塚歌劇のきらびやかな夢の時間のつづきをホテルでも見続けていた
だけるような特別なひとときを提供いたします。また、1926 年の開業から受け継いできた上質なおもてな
しはそのままに、今後も宝塚の街のシンボルとして、地域の方のみならず多くの方々にこの先 100 年愛さ
れるホテルを目指します。

シャンデリアは旧宝塚ホテルからの移設。歴史を紡ぐのもまた「夢のつづき」です。

宝塚歌劇に関連するギャラリーがあるのは階段上がってすぐの場所。シャンシャン、小道具、年表、公演中の演目紹介などがありました。

2017年雪組公演「SUPER VOYAGER!」の衣装展示は、新しい宝塚ホテルの「船出」にふさわしいとの思いが込められています。これらを監修したのはすーさん(憧花ゆりの)。元月組組長にして新生・宝塚ホテルの初代支配人です。

メインロビーを見下ろします。隣の女性グループが「お城みたい!ここに住みたい!」と楽しげでした。

エントランス入って左向きに階段があるのが意外でしたが、これは建物のレイアウト上仕方ないですね。列柱デザインは旧ホテルからの継承、叩いてみるとコツコツ乾いた音がしました。

感心したのはエスカレーターを隠しているところ。階段の裏側なのでメインロビーからは全く見えません。あくまで階段が主役なのです。

階段踊り場からのメインロビー。宝塚大劇場で使われ、その後は旧ホテルに飾られていた緞帳が正面に据えられます。その下は軽い飲食を提供するラウンジ「ルネサンス」

メインロビー脇、5組のトップスターの衣装展示は8月までの期間限定だそう。左から、花組・ゆずカレー(柚香光)「DANCE OLYMPIA」、月組・たまきち(珠城りょう)「エリザベート」、雪組・だいもん(望海風斗)「ファントム」、星組・まこっちゃん(礼真琴)「ロックオペラ モーツァルト」、宙組・まかぜ(真風涼帆)「オーシャンズ11」

以前はトップスター1人写りだった写真パネルはトップコンビに変更。左から花組、月組、雪組、星組、宙組。先ほどの衣装の並びと同じですがこのような場合、組の創設の順になるのが基本です。理事(轟悠)の写真がなくなったような…。

「宝寿」は最も大きな宴会場(903㎡)で、タカラジェンヌのディナーショーなどにも使われます。これはパーティションで区切られた状態。シャンデリアは旧ホテルから移されました。また、絨毯には宝塚のシンボルであるスミレがあしらわれています。

ほかに中宴会場「琥珀」(542 ㎡)、小宴会場「詩月 」(172㎡)」「舞花」(114 ㎡)と計4つの宴会場を備えます。

回廊の椅子に旧ホテルを思い出しました。

メインロビーからは武庫川に面したホテル裏側に出られます。植物レリーフ付きの切妻屋根など外観は正面とウリ二つ。こちらは車寄せ、平面駐車場への誘導路になっています。

夕暮れの宝塚ホテル。宿泊客は本来ならば観劇の余韻にひたっている時間帯。当然、満室稼働で初日を迎えていたことでしょう。そういった意味では、宝塚歌劇の公演が再開される7月17日こそ本当の開業日といえるのかもしれません。

■宝塚ホテル フロア構成
3~5階 客室(200室)
2階 ビュッフェ&カフェレストラン、日本料理、鉄板焼、中宴会場
1階 メインロビー、フロント、大宴会場、小宴会場、ラウンジ、ホテルショップ
地下1階 駐車場

【所在地】 兵庫県宝塚市栄町1丁目1番33号
【電話番号】 0797-87-1151
【公式HP】 https://www.hankyu-hotel.com/hotel/hh/takarazukahotel

ホテルの計画発表時の記事は↓。旧ホテルの意匠なども紹介しています。

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