京都府警察本部が移転、日本最古庁舎は文化庁に大変身

近代建築・古建築

2020年6月、京都府警察本部の新庁舎が稼働を始めました。日本最古の警察本部庁舎として知られた旧本部本館はその地位を返上、リニューアルを経て文化庁本庁に生まれ変わります。

千年の都を守る京都府警。25の警察署、7000人超の職員を擁する巨大組織ですが、狭隘な旧本部本館だけで司令塔の役割は担いきれませんでした。

対して、新庁舎は延べ床面積6倍以上。そこに別館、京都リサーチパークなどに分散していた機能を集約し、本部機能の強化を図ります。

■階数:地上6階 地下2階
■延べ床面積:27,739.742㎡

■設計者:久米設計
■工事施工者:清水・岡野・古瀬特定建設工事共同企業体
■所在地:京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番地3

京都府庁舎と同じ敷地、新町通りと下長者町通りの交差点に面した立地です。

水平ラインと隅のジグザグ感。フラットで大きな軒と、壁面の小さな段差のおかげで陰影も出ています。

白一色に近かった完成予想図とは受ける印象がだいぶ違いました。

京都府庁舎3号館が解体されたので、重要文化財の京都府庁舎旧本館(右)、旧本部本館(左)と向かい合う形になっています。

こちらが旧京都府警察本部本館。昭和3年(1928年)11月に京都で行われた昭和天皇の「即位の礼」に合わせて建設された近代化遺産で、全国の警察本部庁舎で圧倒的に古い建物でした。竣工年は1927年もしくは1928年と思われます。

今後はリニューアルを経て、東京から移転してくる文化庁の本庁になります。

隣に新築される新行政棟の一部などと合わせて、同庁の7割250人超の職員が勤務する予定。文化庁長官、次官ももちろん京都に移ります。

半円アーチの玄関や窓まわりに豊かな装飾があります。

階段踊り場のステンドグラス

南面出入口も見どころ。

文化庁の移転候補地として京都市内14ヶ所が提案され、最終的に旧本部本館が選ばれたのですが、建物を保存・継承する文化的価値が高いことも、選定理由のひとつになったといいます。

保存活用については以下のような方針が出されています

出典:京都府資料 http://202.34.14.132/bunkachoiten/documents/h310205_shiryo2.pdf

外装タイル、帯飾りなど外観の保存に努め、特に西面(①)、東面の玄関周り及びこの上階部分、1階南面出入口については保存する。玄関ホール、階段室(②)については保存に努め、2階警察本部長室(③)、3階会議室(④)及び警務部長室については、天井の中心飾りなど特に意匠的密度が高い部分の価値に十分配慮する

 

新庁舎と旧庁舎

真ん中を埋めるように新行政棟が立つので、2棟が並び立つのは期間限定です。

文化庁として動き出すのは予定より少し遅れ、2022年度中の見込み。地方移転の成功例になることを願っています。