大阪のファンキー建築 オーガニックビルの見学会へ

外壁から飛び出た132個の植物ポッドが目を引くオーガニックビル。今回、イケフェス大阪2017のプログラムに当選して内部見学をする機会を得ました。外観に負けず劣らずの魅惑的空間をご堪能下さい。

大阪・南船場のオフィス街にヌッと現れるオーガニックビル。外から楽しむだけだった憧れのビルの念願の見学会。台風来襲ごときで気持ちは萎えません。雨に打たれたオーガニックビルはむしろ赤が締まって魅力的に映ります。

ウネウネとした赤と緑の線。彩られた壁。現実世界との明らかな境界がココにあります。奥に見えるエントランスホールに期待を膨らませ、いざ異空間へ!

ド派手な色彩と不思議なオブジェがお出迎え。

この空間は…想像以上です。。。

テナント案内板がカッコよすぎる

最も目立つオブジェのモチーフは地球と昆布。なぜに昆布?!となりますが、これはビルオーナー「小倉屋山本」さんが江戸時代から続く昆布専門店なのが理由です。

「エントランスホールは海中をイメージしています」と説明を受け、見学者一同「あぁ~」と納得の声。これは貝を模したエレベーター横の飾りで、壁の模様は海藻…だったかな。他にも色んな遊びがありました。

オーガニックビルの説明板が壁に掛かってましたが「あらゆる生命体は…」で始まる文章が既に普通じゃない(笑)

外観内装を手がけたのはイタリア人芸術家のガエターノ・ペッシェ氏。当時の小倉屋山本の社長はオーガニック(有機体)なデザイン案に驚きつつ、大変気に入ったそうです。完成は1993年。既にバブルは崩壊していますが、計画時は日本が一番ノリノリだった頃でしょう。

特別公開のオーガニックビルの模型。外観を忠実に再現しています。海外の美術館に展示されてたってのはこれかな?素晴らしい!

植物に目がいきますが、窓にも注目。『竹』をモチーフにしていて縦横ともに真っ直ぐな線ではなく少し斜めになっています。人々の目を「楽しませる」だけでなく「慣れさせない」効果も狙っています。

施工が大変だったろうし、お金も相当余分にかかったでしょうね。デザインを変えなかったペッシェ氏もですが、Goサインを出し続けたオーナーにも脱帽です。

側面を見ると確かに非直線になってますね。

さて、次は念願のバルコニー。少々の雨なんてお構いなし。そこから下を覗き込むと

目の前に植物ポットが!

大阪のオフィス街に実現した「ヴァーティカル・ガーデン」(垂直の庭)です。いつも仰ぎ見ていた植物ポットを上から眺める日がくるとは。ありがとうイケフェス大阪。

世界中から植物を集めてしかもこの環境。当初は生育が不安視されたみたいですが、意外に根付きは悪くなかったといいます。ビル完成当初からの古参植物が残っているか聞いておけば良かった。

向かいのビルに映り込むオーガニックビルを見られるのも見学者特典。社員の方のビル案内が「ここも見て下さい!」「実はこれは」と熱量高めで「あぁ愛されているビルなんだぁ」と感じられたのも嬉しい特典でした。

このあと、窓の形がそれぞれ違う階段室や、山崎豊子(←小倉屋山本の社長の親戚筋)に関連する貴重な資料などを拝見。最後に案内されたのが歩いて1分ほどの距離にある小倉屋山本の本店です。

看板商品である塩ふき昆布「えびすめ」と「だしパック 味司」、新発売の「こんぶパイ」を試食にいただきました。これが旨い!お世辞無しで全部旨い!甘さ控えめの「こんぶパイ」プレーンはおかわりもらっちゃいました。

その場で購入している見学者もチラホラ。ビル見学&手厚い歓迎を受けるとファンにならざるをえないですね!

南船場4丁目には個性的な店舗が多く並びます。その呼び水としてこのビルが機能した…かは定かでないですが、今でも地域のランドマークであり、建築好きを引き寄せる存在です。オーナーがビルに託した『大阪に活力を』との願いは結実したといえるでしょう。

とても満足度の高い見学会。オーガニックビルをさらに好きになりました。関係者のみなさまありがとうございました。

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