ファサードをタイルで覆い尽くした旧観慶丸商店の記事第2弾。今回は建物内の様子をお届けします。
記事第1弾の外観編は↓
いざ、屋内へ
ガランとした空間にちょっと拍子抜け。華美な外観に対して、室内はかなり質素です。
あれだけ貼り付けられていたタイルも殆ど見当たりません。
東日本大震災で津波に襲われ、1階が“ぐちゃぐちゃになった”のが理由かなと思いましたが、以前からこんな内装だったみたい。
従来からの柱、梁を極力残しつつ鉄骨を入れることで耐震補強。補修した部分は敢えて見せています。柱の下部のみ傷みが激しいのは津波被害の受けたからでしょうか…。
今後、1階は交流スペースになります。音楽イベントなどにも対応させるため床はコンクリートです。
旧観慶丸商店の顔ともいえるコーナー部分を内側から。これが1階。
そして2階。半円アーチのガラスの濁りは古さの証
2階も間仕切りのない大空間。この階段は昭和5年の竣工当時からあるようです。
旧観慶丸商店は2017年11月に本格オープン。2階は、毛利総七郎氏が収集した縄文土器など「毛利コレクション」の展示スペースになりました ※私の訪問は同年5月です
改修前の写真。陶器が所狭しと並んでいますが、実態は倉庫だったとのこと。階段はそのままですが、左の柱が改修後に鉄骨に置き換わってますね。
もうひとつの階段はぶった切り状態。逆に存在感あります。
一部にはられた白い天井は「鉄」素材。茶色く変色しているのは錆でしょうか。
2階は、畳敷きの主屋と直接繋がっています。欄間の透かし彫りや障子、縁側などが気になりますが、残念ながら立入禁止。改修対象から外れているので歩くだけでガタピシと軋むらしい。「いずれは公開を」と仰られていました。
建設中の貴重な写真や増改築の変遷、修繕中の様子。
窓はほとんど新しく取り替えられましたが、いくつかは古いまま。ただ、法的には「窓ではない」という不思議なお話
この階段は3階に繋がっていますが、建築基準法的には3階も存在しないことになっているとか。白い柱、ラクダのタイルなどがあって、夏の花火もよく見えると聞きました。こちらも基本は非公開。石巻で初めて提供されたとされるカレーライスをいつか3階の旧食堂で…。
旧観慶丸商店
かつての百貨店が、石巻の人々をつなぐ交流スペースへ。これからも愛着をもたれる存在であり続けて欲しいですね。
ちなみに当時の店の流れをくむ観慶丸本店はまだ存続しています。陶器を軸にして、ガラス、漆器、手工芸品や生活雑貨を扱うセレクトショップみたいな感じ。旧観慶丸商店を見学した後に是非どうぞ。