麻布十番の隠れ家的ホテル、東京さぬき倶楽部(東京讃岐会館)が本来の予定を4ヶ月ほど前倒しして、2020年4月末に営業を終えることになりました。
建物は1972年、香川県および東京香川県人のための宿泊・活動拠点として完成。香川県文化会館、丸亀高校建て替えなど、香川県で多くの実績があった大江宏が設計しました。「デザイン知事」「建築知事」と呼ばれた金子正則の頃だからこそ実現した建築ともいえます。
私は2019年3月に利用。閉館が近い…との噂を聞きつけてでした。
モダンなラウンジが素晴らしい。自転車がパンクし、歩きでトボトボ向かったのですが疲れが吹っ飛びました。
背が低い椅子はジョージ ナカシマのデザイン。座ってみると目線が低く、床が近い。座椅子に近い感覚で、自宅のリビングのように寛げました。
家具全体が同じテイストなので見晴らしがいい。ちなみにジョージナカシマの椅子やテーブルは1脚ウン十万。東京さぬき倶楽部は1泊6000円ほど。ラウンジだけで元がとれます。
ジョージナカシマは「讃岐民具連」の一員になるなど、香川県と深い関わりがありました。現在、高松にはジョージナカシマ記念館があり、その隣の桜製作所はいまだ彼の家具を製作し続けています。
色ムラの美をみせるタイルの壁。瀬戸内の海のイメージです。ゆらめくライトが照射されていたのは、波を表現していたのでしょうか。
見上げると、光が不思議な散り方をしています。
照明が編み物みたいになってました。接写は次回記事で紹介しますね。
テラス席から庭に出られるのですが肝試し感がスゴい。これも明朝の散歩に切り替えです。
ラウンジとならんで素晴らしいのが吹き抜け
葡萄の房みたいな立方体のシャンデリアに驚かされました。階段の手摺も面白いデザイン
カエルの卵に見えなくもないです(笑)
外に目を向けると、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、六本木ティーキューブが一望できました。言い換えれば周辺は低層住宅エリア。下に見える範囲と東京さぬき倶楽部を含む2.5ヘクタールがゴッソリ再開発されます。再開発と閉館の話は、もう10年以上前からあったようです。
そして、東京タワー!まさかのプレゼントでした。
次回記事では朝の館内・庭散策、外観などを紹介します。