兵庫・仁川団地の給水塔は“剣型”の希少種

UCさん著「団地の給水塔大図鑑」(2018年)でその存在を知り、ずっと憧れていた仁川団地の給水塔を見てきました。

仁川団地は昭和30年代半ばに日本住宅公団が開発した622戸の大規模団地。阪急仁川駅近くの小高い丘に40棟以上が立ち並んでいました。

団地案内板で給水塔を発見!

しかし、団地は閉鎖済み!(←現地に行くまで知らなかった)

2018年、最後の住民が出ていかれたそうです。給水塔が解体されていたら…と不安を感じつつ進んでいくと、カーブの先、スレンダーなコンクリートの柱が見えてきました。

給水塔です!

「団地の給水塔大図鑑」では給水塔がボックス型、とっくり型などその外見によって12種類に分類されています。仁川団地の給水塔が属する“剣型”はUCさんが撮影された662基(2018年当時)のうち9基しかない希少種。さらに調べてみると2022年時点で仁川団地含め、残り5基にまで減ってしまってました。

単純な直方体ではなく、側壁がくの字型に膨らみます

剣型現存5基のうち唯一、昭和30年代に建てられ、唯一、コンクリートがむき出し。モダニズム建築好きの血が騒ぐ造形です。本で見た際、沖縄・古謝団地のポストモダンな給水塔とともに、目が釘付けになりました。

塔の上部にタンクが載っているため、点検作業用の階段が外に出されます。塔の真ん中から下部にかけてはほぼ空洞だそう。

スターハウスなどが並ぶ仁川団地自体、団地愛好家からの人気が高かったようです。

敷地はほとんどが閉鎖されていて、撮影可能なスポットは少なく、給水塔にも近寄れません。この日に観劇した宝塚花組公演「元禄バロックロック」は時間を操るファンタジー作品。「時を巻き戻せたら」のセリフが心に沁みました。

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