大将軍駅を内包した高尾アパート、雑居ビル屋上から突き出た橋脚
姫路モノレールの2つの名物のうち、前者は2017年に解体されてしまいましたが、後者はまだ健在。廃線巡りのハイライトになっています。このユニークな区間にまつわる衝撃情報が、Twitterに流れてきました。
80数本の柱脚が有ったが、配置図が見つけられたのは、no.0-30まで。姫路駅側にno.0があり、手柄山に向かって番号が増える。配置図を見て(見なくても気付くべきだったけれど)、一般タイプとロングスパンタイプがあることがわかった。位置的に、今日見つけたのは、生き残りは、ロングスパンタイプのno.9 pic.twitter.com/de6wHbFPEP
— tut531 (@shohei_tsuchida) August 14, 2020
隣接するno.10は残存せず。その向こうで、no.11,12,13,14は連続して4本残存。加えて、no.9の東側でも、no.8,7が残存していることが判った。この辺りの経緯は不明だが、写真を見る限り、モノレール竣工時にはいなかった店舗がその後、巻きつく様に立ち並んだことが大きな理由のよう。 pic.twitter.com/oBCt2jxX2v
— tut531 (@shohei_tsuchida) August 14, 2020
写真を見る限り、モノレール竣工時にはいなかった店舗がその後、巻きつく様に立ち並んだことが大きな理由のよう。
tut531さん
1つ目のツイートの白黒写真。確かに橋脚だけで、ビルが見当たりません。
竣工年が違うとなると、構造も別。ビル内には橋脚が占拠するスペースが残っている事になります。
それを確かめに姫路へ。モノレール跡の散策は2016年、2020年に続いて3度目ですが、ビル1階に注目するのは今回が初めてです。
見た目にはビルと橋脚は一体。振動等を考えると、構造が別になっているのはむしろ当然なのですが、そんなこと考えもしませんでした。普通は屋上に載ってると思いますよね…。
しかし拍子抜けするくらいあっさりと、巻き付きの痕跡が見つかりました。屋上突出部の真下、ガレージの中を凝視してください。
ややハの字に広がる壁によって仕切られた謎スペースがありました。小窓の先はおそらく…。
もう一つ見つけた箇所も基本的に同じ。この内側に橋脚が潜んでるに違いありません。
美容院、居酒屋にも四角く仕切られた一画があるはずです。
何らかの事情でビルに取り込まれなかった1本は、隠れている橋脚の形を想像するのに最適といえるでしょう。
何か聞けるかなと「けんからーめん」さんに。雑居ビル1階で営業する数少ない現役店舗です。
これが大正解で、モノレールの軌道桁が撤去された際、その場でもらってきたというレールが飾ってありました(メチャメチャに重い!)
以下は店主さんから聞いたお話。
- ビルが後から完成したのは事実
- 建設目的はモノレール含む周辺の区画整理で立ち退いたお店、屋台の代替地として
- 屋上部分の軌道桁が撤去されたのは地震への備え
- ビルの取り壊しがあるとしてもおそらく10年以上先
- モノレールの当面の延伸計画は、臨海部の工業地帯までと市内環状線。計画が狂った一因は地価の著しい上昇
- 大将軍駅跡地のマンション開発は橋脚基礎を取り除けず頓挫。モノレール黎明期だったので必要以上に頑丈にしたのでは?
大将軍駅跡と拡幅した道路です。昔の写真を確認すると周辺には家が建て込んでいたことがわかります。モノレール情報の宝庫である手柄山交流ステーションで詳細を知りたいところですが惜しくも時間切れ。今回は現地確認だけで良しとします。
橋脚に干渉せずにビルを建てるのは一苦労だったろうなぁ。面白い風景にはやっぱり面白い歴史がありました。
さて、次回の姫路モノレール特集第2段は廃線ルート巡り。2021年と2016年の橋脚の残存状況を比較します。