知り合いであるToshiさん、涼さんの二人が出版された「山夜景をはじめて楽しむ人のための関西ナイトハイキング」。その表紙の風景を目指し、初めてのナイトハイキングに挑んできました。
これがその表紙。岩場の上に立つ2つのシルエットが煌めく街を見下ろしています。カッコよすぎでしょ?
本をペラペラめくると同じ写真を見つけました。撮影地は兵庫県西部に位置する高御位山だと判明。播磨富士とも呼ばれる信仰の山だそう。
書籍では28のナイトハイキングルート&山夜景スポットを紹介、それぞれに歩行距離、所要時間に加えて感動指数、難易度、疲労度が★印で示されます。山夜景初心者にとってこういったデータは嬉しい。そして高御位山の評価は
感動指数★★
難易度★
疲労度★★
この難易度なら何とか…
という事でやってまいりました。高御位山!
コース図、写真から登山イメージを膨らませます。必要な情報がパッと目に入ってくるのが本の強みですね。
文章中にも「よく整備された登山道」とありましたがホントその通り。迷いそうな分岐もありません。
ちなみにこの本。「ナイトハイキング」と銘打っていますが目的は“夜の山歩き”ではなく“夜景鑑賞”。だから明るい時間帯からの登山でもOK。むしろ安全面からそれを推奨しています。
ドンドンと伸びる山影に焦りが募ります。この日は建築探訪に時間を割き過ぎました…。登りの所要時間「40分」との記載があるので日没までには間に合うはず。気持ちを落ち着かせながら歩を進めます。
「十五丁」で急に空が広くなりました。岩場の稜線に出ると
ドーンと視界がひらけ夕日と色づいた山肌が目に飛び込んできました!
登山道がある方角とは真逆。それまで見えなかった海側の風景が展開する劇的瞬間です。そしてココから更に5分
頂上に鎮座する高御位神社に到着!
この隣の広い岩場、そこが撮影ポイントです
海に落ちる光芒
そして日没
雲に隠れて太陽が沈む瞬間は見られませんでしたが今回の目的はそれじゃない。山夜景の本番はココからです!
遥か沿岸部の工場地帯から聞こえてくる終業音。ポツポツと増えていく明かり。街は刻々と夜の表情へと変化していきます。
一方、私が立つのは誰もいない山頂。まるで別の世界の出来事を眺めているような…。昼の登山では味わったのことのない不思議な感覚でした。ナイトハイキングの魅力の一端を知った気がします。
都市と集落が織りなす夜景。点々とある街灯がイイ味を出してます。ふと、シムシティ(SFC版)の記憶が蘇りました。BGMは「キャピタル」かな。
東の空には月が昇ります。スーパームーンを数日後にひかえて明るさが凄い。
さて、そろそろ今回の目的を果たしましょうか…
「関西ナイトハイキング」の表紙の場所にぃ
来たどー!!
…はい。
無人状態でも自撮りはやっぱり恥ずかしい(しかも15秒間静止)
これで任務完了!と油断してはなりません。ナイトハイキング最大の試練である暗闇の中の下山が待っています。
装備について「ヘッドライトは予備を含めて2個。さらに予備電池を必ず携行するように」とあり、そんな大袈裟な…と思ってましたが実際に行ってみて納得。ヘッドライトが切れたら致命的だと感じました。
登山時には気にも留めなかった小さな分岐にも戸惑います。完璧に整備された高御位山ですらこの状態。準備には万全を期しましょう。
ただ、ヘッドライトさえあれば何とか歩けるものだなと感じたのも発見です。
3時間半ぶりの下界。駐車場には車は1台もいません。標高300mほどの山ですが特別なミッションをこなしてきたような達成感がありました。
「関西ナイトハイキング」に出会わなければ山夜景には挑戦しなかったでしょう。残り27コース。美しい夜景写真を眺めながら次の訪問先を探す日々です。