奈良の山すそで見かけた農業用ハウスがメチャメチャに魅力的だったのでご紹介
最初に発見したのがこの4棟並び。妻側の入り口部分は昔の小屋っぽいのに屋根はスケスケ。その不思議なギャップに目が釘付けになりました。
中を覗くと、まさかの木造ハウスであることが判明。これは一体…なに?と調べたところ、岡山の林ぶどう研究所さんのHPがヒット。
【ガラス温室とは】
ガラス温室とは、岡山のぶどう栽培の歴史130年の中で、マスカット・オブ・アレキサンドリアをなんとか作りこなすために、明治時代に開発された屋根がガラス張りの温室です。そのガラス温室発祥の地が、林ぶどう研究所がある岡山市津高とされており、マスカットの原始温室(復元)が残されています。
いまではビニールハウスが中心となり、全国的にはガラス温室は大変珍しいですが、ガラスが紫外線を通しにくいという特徴から、皮が柔らかく、繊細な味わいに仕上がります。
https://hayashigrape.official.ec/items/33461016
添付されていた写真はこのハウスに酷似。“大変珍しい”とされる現役のガラス温室で間違いなさそうです。
一方で、“いまではビニールハウスが中心となり”の現実も見ました。近くにある5棟は屋根に穴が空き、廃屋の雰囲気が漂います。
古風なガラス温室は消えゆく途上にあるのは間違いありません。
木の架構
これはアクリル板…かな?交換の際にガラスから嵌め替えたのかも。ガラス温室が廃れていった背景にはメンテナンス性の悪さもありそうです。
お次は全面をガラス張りにした2棟。最寄りの集落内に佇みます。骨組みは鉄ですが、多分かなりの年代物。
天窓付きで、側面も開閉式です
ガラス2枚を透かして見る青空
少し離れた集落にあった4棟は、前述の1、2番目の温室と3番目との過渡期にあるような造りで、鉄の骨組みと小屋風のハイブリッドになっています。
近くで農作業しておられた方が仰るには50年くらい前にはもう立っていたとか。集落には4軒のブドウ農家があるそうで、うち2軒がガラス温室を使っておられます。
温室内は冬でもほんわかしそう。
雨水給水システム。側面もハウスごとに違いがありました。
岡山から伝播してきたガラス温室。現役姿はもちろん廃屋の趣も絶妙。
どのくらいの範囲にどの程度残っているのか、web上での情報が非常に乏しいのも採集欲を刺激します。とりあえずは聖地岡山行き、決定です。