登山目的はただ一つ、天理教の建築群を上から眺めるため。
大国見山は標高498m。付近でもひときわ高く、天理教教会本部からもピラミッド型の山容を確認することができます。
まず、登山ルートを簡単に紹介します。桃尾の滝をスタート地点とする登山口は駐車場(無料)があるので自家用車でアクセスできます。
路線バス利用なら「上滝本バス停」が最寄り。歩きなら天理駅から登山口まで約1時間、天理教教会本部から50分ほどです。
道すがらの楽しみは、廃寺となった竜福寺(現在は大親寺が建つ)の石垣遺構と石仏、巨石などなど。基本的に整備されていて、迷う箇所は無いでしょう。
ただ、序盤終盤は心臓破りの急勾配。崩落しかけの木橋は冷や汗ものでした。
およそ40分で山頂に到着。
まずはメインの眺望を紹介。奈良盆地と生駒山地、写っていませんが平城宮跡、JR奈良駅あたりも遠望できます。
ひときわ目立つシャープ総合開発センターは「千里より天理へ」のスローガンが有名。1970年大阪万博へのパビリオン出展を断念した資金で建設され、シャープ躍進の原動力になりました。
次に裏・眺望ポイント。山頂の一角、不思議な形にくり抜かれた石があります。天理を一望できるのはここの木々のすき間。
宗教の名前がそのまま市名になった天理の町。その中心たる天理教の神殿と“天理らしい景観”を形成する「おやさとやかた」を俯瞰できます。
神殿。東西南北4つの礼拝場が「ぢば」(天理教が定める世界の中心)を囲うように立てられます。緑屋根の教祖殿とは回廊で繋がります。
天理教教会本部神殿の案内図
「おやさとやかた」は神殿のさらに外側を“八町四方”で囲う大プロジェクト。1954年から建設が進められ、全長約3.5kmのひとつながりの建築になることを目指しています。写真内で説明すると、下と左上の建物を妻方向に伸ばし、交差地点で連結させます。
↓ 神殿と「おやさとやかた」については別記事に詳しくまとめています。
なお、天理教の施設は「おやさとやかた」の内側だけではありません。市内に何百と立ち並んでいます。
改めて全景。これが、日本最大の宗教都市です。