最後の見学会。奈良少年刑務所の「光」と「影」を撮る

2017年7月16日、明治の五大監獄のひとつ、旧・奈良少年刑務所(奈良監獄)の一般公開に行ってきました。ホテルへの改修が決まっているので、刑務所施設としての見学会はこれが最後です。撮影した写真を「光」と「影」をテーマに絞り込んでみました。

天窓から射し込む太陽光によって刑務所内には強い陰影が生まれます。

それまで日本になかった「受刑者の人権」を尊重しようとする思想のもと、奈良監獄は設計されました。西欧諸国にならって独居房を採用。江戸時代そのままのギス監から居住性が大きく改善しました。

ホテル改装後、木製の扉はそのまま再利用されます。重厚な錠前もどうかこのままで。

15cm四方の食器口から覗く独居房の内部。

人がいることでなんだか現代アートな空間に。5つの舎房のうち1つは改装されないまま残される予定です。

中央看守所から舎房が放射状に伸びる形態は「ハヴィランド・システム」と呼ばれます。

監視の要は2階

吹き抜けになっているので5つの舎房の1、2階が全て見渡せます。

2階の喧騒、1階の静寂。

奈良監獄の完成は1908年。この石畳は今年109歳を迎えました。

石畳を挟んで向かい合う独居房の扉

地下の入浴場へと続く階段。不気味すぎでしょ。

あまりの異空間っぷりに忘れそうになりますが、ここはあくまで刑務所。鉄格子の存在にそれを思い出しました。

昔ながらの木架構と監視カメラの対比

屋外の登れそうな場所には全て有刺鉄線が巻かれていました。

一方、刑務所には受刑者を更生させて外の世界に送り出す役目もあります。実習場の天井を這うケーブルに、矯正プログラムの時代への対応を感じました。奈良少年刑務所からの出所者は再犯率が低かったとか。刑務所は光も指し示すのだなぁと。

漂うバイオハザード感。

職員さんのバイク置き場

 レンガは受刑者自らが焼いたとか。

内側から見る塀の方が高く感じました。

受刑者、そして家族らが神妙な面持ちでくぐったであろう表門。見学会ではみんなが楽しそうな顔でした。次にここが賑わうのは2020年のホテル・複合施設の開業時。素敵な施設への再生を期待します!

おまけ

この日は思いがけずRe-urbanization -再都市化-のロングさん(@saitoshika_west )と一緒になりました。記念撮影したり、ゾンビからの逃走劇を妄想したり、ホテルの脱獄アクティビティを考えたりとワチャワチャ騒ぎながらの見学でしたが、一番盛り上がった瞬間はコレ!

シャープのスイッチボックスを見つけた時でした。下に書かれた「HAYAKAWA ELECTRIC Co., LTD. OSAKA」に興奮はマックス。つまりシャープになる前の早川電機工業時代のモノなんです。東京から大阪に移転し、早川電機工業と名乗っていた1942年から1970年までの製造でしょうか。スイッチ「ON」にしてみたかったなぁ。