呉・海自基地と「この世界の片隅に」の舞台をビュー・ポートくれから眺める

「この世界の片隅に」のクラウドファンディングが始まり、瞬く間に目標金額に達した2015年3月。私はなにも知らずに呉の町にいました。

宿泊したのは呉駅から「めがね橋」方面にむかって海側に立つビュー・ポートくれ。呉海員会館の正式名称が示すように、もともとは船員およびその家族を対象とした宿泊施設でした。このホテルを選んだのは立地からして眺望の期待度が大だったからです。

まずは海側。手前には海上自衛隊呉基地が広がっていて港に視界がひらけます。白い建物の奥、お目当てが見えました。

海上自衛隊の艦艇です。手前が護衛艦うみぎり、奥が護衛艦いなづま

「晴美さん、お船がおってじゃ」

と今なら呟いてしまいそう。

海自基地と造船所と製鉄所。3つのメカメカしい光景をひと目で眺める贅沢。

旧呉海軍工廠造船部を受け継いだジャパンマリンユナイテッド呉造船所。そして製鋼部を受け継ぐ日新製鋼呉製鉄所。高炉はもうもうと煙を吐いてましたが今後1基が改修、1基が休止予定だとか。

造船所には様々なクレーンが並びますが左下の一際小さいのがかわいい。そしてかなりの年代物っぽい。建屋は戦艦大和建造ドック跡の上に立っています。

艦艇が集結する桟橋は、艤装中の貨物船に遮られて見えませんでした。

ちなみに桟橋の様子(2008年頃撮影)「呉には海上自衛隊の基地がある」程度の認識だったので、こんな間近で艦艇、潜水艦を眺められるのかと驚いた記憶が。

ついでに2008年撮影をもう1枚。山の斜面にビッシリと立ち並ぶ民家。こげ茶色の屋根に映画の1シーンを思い出します。

さて、2015年撮影に戻ります。港に黒煙。エンジンに火が入ったのでしょうか。

こまいんが港を出ていき

大きいのんが港に戻ってきました。「お帰り」いうたります。

左に目を移すと青いドーム屋根と赤煉瓦。呉鎮守府(現・海上自衛隊呉地方総監部)の庁舎です。第二次大戦中、呉は横須賀に次ぐ第2の軍港でした。

つぎは山側の眺め。劇中にたびたび登場する堺川が、山にむかって一直線に伸びてます。映画にも似たアングルがありました。手前から数えて2番目の橋が市電が通っていた堺橋。3番目が周作さん、すずさんの出会いの場である小春橋。

九つの嶺に守られる九嶺の町。真ん中のんが灰ヶ峰

あの裾がわしらの家じゃ

おわり

【おまけ】

青山クラブ/旧呉海軍下士官兵集会所です。道路から撮影したのもありますが、あえてJRの車窓から。web上に少しでも記録を残さねばなりません。というのも、この建物は解体が目前に迫っているから。海自の建物だと思っていたらまさか戦前にまで遡るとは。

「この世界の片隅に」の初見時、この建物のシーンは「あぁ、あそこがモデルか」とすぐ判別することができました。それだけ特徴的なアールと入り口を持っていました。なんとか活用できないものでしょうか。保存活動をされている方のページがあったので以下に貼っておきます。

旧呉海軍下士官兵集会所保存のため署名にご協力を!

「この世界の片隅に」は一生心に残り続けるであろう作品。クラウドファンディング達成のその月に偶然呉にいたことすら誇らしい。